~ 自閉症の偏食について~
2つの機関の紹介

食事のレパートリーが9品目以下ですと、「重症」な偏食となります。酷い場合、栄養障害で合併症を起こすことがあります。
<摂食行動障害へのアプローチ>
(摂食行動障害とは、食べるという行動に対して、精神的・心理的な部分の障害のこと)
※神奈川県子ども医療センター栄養サポートチームの症例を元にしています。
- ・現状を受け入れる。
・好きなものを好きなだけ。
・サプリメントでのビタミン、ミネラルの補充
・経管栄養を考慮(ここまで重症の場合は、医療機関での治療となります)
「米飯しか食べない」場合は、「米飯だけ十分に食べさせること」栄養のバランスが悪いことを気にして、"米飯の量を制限して、お腹が空いたら他のものも食べてくれるのではないか"などと考えても、その通りにはいきません。つまり、"お腹が空けば、諦めて違うものを食べるだろう"などという、一般の考え方が通用しないのです。 これが、田村Dr. の言う「一般の子どもに正しいことが、自閉症児に正しい訳ではありません。」ということだと理解します。


偏食の支援のため、子どもたちひとりひとりに合わせて対応しています。
1:食事の観察と記録
まず、こどもたちが実際食べている食事を数日チェックしてみます。お家での食事はもちろん、お家以外に通っている集団があれば両方の記録を取ってみます。
どのような食材・メニューを好んでいるのか、食事の場面での困り感なども記録し、何を基準に選んでいるのかをつかみます。
2:身体・栄養状況の把握
次に体重・身長を測り、年齢、食事量等から栄養必要量を算出します。
実は、一般より少ないエネルギー量で十分な子どももいるので、成長曲線をつけて食べている量が適正か確認します。
限られた一つの食材やメニューでたくさんのエネルギーを取っていることが多いので、バランスや種類も気を付けるようにしています。
3:好みの感覚・偏食傾向チェックリストの作成
お口の中の過敏性が強いのか、ねっとりしたものが嫌いなのか、見たものに反応しやすいのか、臭いに敏感なのか確認し、偏食傾向チェックリストを記入します。
偏食傾向チェックリストや発達状況などを見て、上記の表でお子さんひとりひとり、どのグループに当てはまるかを考え、支援を開始します。
支援を始める際には、安心できる場所や人の存在、空腹である事、好きな食事が用意されていること等の配慮が必要です。